ホーム  >  宮古島の不動産売却はセンチュリー21宮古不動産  >  不動産売却コラム  >  空き家等に係る媒介報酬規制の見直し

空き家等に係る媒介報酬規制の見直し
カテゴリ:不動産売却コラム  / 投稿日付:2024/09/27 04:55

低廉な空き家等

1. 低廉な空き家等(800万円以下)の媒介報酬の改正

国土交通省は、空き家・空き地の流通を促進するため、2024年7月1日施行にて「低廉な空き家等の媒介の特例」の見直しを行いました。この制度改正により、物件価格800万円以下の売買において、売主および買主それぞれから最大で33万円(税込)の報酬を受け取ることが可能になります。

 

2. 従来の特例との違い

従来の特例は、2018年に創設され、物件価格400万円以下の物件に対して、売主から最大18万円(税抜)の報酬を受領することが可能でした。新たな改正により、価格帯が800万円以下に拡大し、報酬額も引き上げられました。これにより、例えば400万円の物件の場合、従来の報酬は最大で19.8万円x2=39.6万円(税込)でしたが、特例を適用することで33万円x2=66万円(税込)まで得られるようになりました。

 

3. 合意の重要性

原則の報酬を超える場合には、媒介契約締結時に依頼者に説明し、合意を得ることが必須です。合意なしに通常の料率を超えた報酬を請求することはできませんので、業者側のルール遵守が求められます。

 

4. 低廉な空き家等の定義

特例の対象となる「低廉な空家等」は、物件価格が800万円以下である宅地または建物と定義されています。この条件に合致すれば、居住中の物件や空き地なども対象となり、特別な認定は不要です。

 

賃貸借取引に係る報酬規定の拡充

1. 賃貸借流通への改正

新たに、長期空き家等の賃貸借における仲介報酬についても改正が行われました。従来は原則として、依頼者からは月額賃料の1.1倍が上限金額とされていました。今回の改正において「長期の空家等」に該当する物件の仲介では、月額賃料の2.2倍を上限として報酬を受け取ることが可能になりました。

 

2. 具体例

例えば、月10万円の賃貸物件では、通常は借主から11万円を受領するのが原則でしたが、特例に該当する場合、借主・貸主双方から合計で22万円の報酬を受け取れることになります。

 

3. 新たな「長期の空家等」の定義

長期の空家等とは、1年以上居住者が不在の物件や、相続により今後の利用が見込まれにくいものとされています。また、媒介契約時に依頼者と報酬についての合意も必要になります。

 

今回の改正の意義

1. 流通促進の期待

今回の改正により、物件価格が低廉でも報酬が確保できることで、不動産業者の参入が促進され、空き家や空き地の流通量が増加することが期待されます。これにより、取引量の増加や地域活性化にも寄与するでしょう。

 

2. 地方自治体への影響

多くの地方自治体が空き家対策計画を策定しており、今回の報酬規定の見直しは、それらの施策にも良い影響を与えると考えられます。管理不全の空き家数の減少が期待され、まちづくりにも貢献する可能性があります。

 

まとめ

国土交通省の仲介報酬規定の拡充は、空き家・空き地の流通を活性化させるための重要な一歩です。これにより、物件の取引が活発化し、地域経済の再生に寄与することが期待されます。業者は合意の重要性を理解し、透明性のある取引を進めることが求められます。今後の動向に注目です。

※宮古島市にも空き家は多く存在しており、所有者が不明であったりと課題は多く存在しています。従来の仲介報酬制度では、空き家等の調査を時間をかけて行うと赤字になってしまうケースも多々ありました。今回の法改正により、宮古島市の空き家問題も徐々に解決へ向かうことを祈ります。

ページの上部へ